Reisen story

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完全オフグリッドを目指して。

冷泉小屋のエネルギーマネジメント / 水は、冷泉をフル活用 / 熱源は、LPガスと…… / 標高2,100mで享受する太陽の恵みで自家発電

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完全オフグリッドを目指して。

冷泉小屋のエネルギーマネジメント / 水は、冷泉をフル活用 / 熱源は、LPガスと…… / 標高2,100mで享受する太陽の恵みで自家発電

冷泉小屋のエネルギーマネジメント

公共インフラが通っていない冷泉小屋は、電力・ガス・水を自給自足する必要があります。エネルギー源をどうするのか? そもそも必要なエネルギーは何か? と手探りで向き合い、最初に決めたのは「アジャイルに進める」ということでした。

ここでいうアジャイルとは、「状況の変化に対して柔軟に素早く対応する」というマインドです。リニューアル後、さらに効率よく効果も高い手法が見つかったときに入れ替えを検討できるように、初期導入も身軽に行おう。可変性を保ちながら、エネルギーマネジメントに取り組もう。そんなスタンスで私たちは冷泉小屋の「完全オフグリッド」なエネルギー調達の実現という挑戦をスタートしました。

水は、冷泉をフル活用

冷泉小屋はその名の通り小屋の目の前で冷泉が湧いているため、お風呂やトイレなどの生活用水はすべて冷泉でまかない、調理や飲料にはタンクで麓から汲んできている水を使っています。

一見よさそうに思えるこのやり方でも、汲み上げの水を運ぶ車の排気ガスが排出されています。いずれは、冷泉や雨水を濾過して飲料水にしていけるよう、実験しながら挑戦していきたいと考えています。

熱源は、LPガスと……

乗鞍は、冬は10mの壁ができるほどの豪雪地帯です。計画当初、太陽熱温水器とLPガスの合わせ技を狙っていましたが、寒冷地で温水器は使えるのか?(管の水が凍らないか?)という懸念が浮上しLPガスのみの運用でスタート。たしかに冷泉を温めることはできるものの、鉄や硫黄といった不純物の多い冷泉は高機能な給湯器の器具を傷めてしまい、温度を感知するセンサー等の故障が相次ぎました。

そこで、給湯器をシンプルな構造のものに刷新。また、補助金を活用して太陽熱温水器の導入も可能になったため、2024年3月現在、ついに当初目指していた「太陽光温水器+LPガス」の運用の検討段階に入りました。

実は乗鞍高原は、環境省が推進するゼロカーボンパークに日本第1号として登録されているため、脱酸素に関わる事業が後押しされやすい状況にあります。この機運を活かし、効率的・効果的にエネルギーをつくる方法を探究していきます。

▼乗鞍高原ゼロカーボンパークについて
https://zero-carbon-park.norikura.gr.jp/

標高2,100mで享受する太陽の恵みで自家発電

リニューアル当初、電気はアウトドア等で使用する大型のバッテリーに充電し、照明は充電式のポータブルランプでまかなっていました。この方法は、1日に2回も麓まで車で降りて充電をするという運用で、時間や手間はもちろん、その往復の車移動による排気ガスを排出してしまうという心理的な負荷がありました。

しかし2023年秋、屋根一体型の太陽光パネル「Roof-1(monochrome)」と、大容量の蓄電池「Powerwall(Tesla)」を導入し、充電の稼働負荷も心理負荷もついに払拭! 雪の重さに耐えられる太陽光パネルという技術のおかげで、標高2,100mという冷泉小屋の環境をやっと活かせるようになりました。

今後は、ガス利用をなくしオール電化にすることで完全オフグリッドを実現し、標高の高さと冷泉を活かした小水力発電に挑戦することで、日照状況に左右されないエネルギーマネジメントを達成したいと考えています。

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